品質管理体制が取引継続の分かれ道に ~ 時代が求める「当たり前」の変化

2025.06.18

営業活動報告

先日、長年お付き合いさせていただいているメーカー様の購買担当者様と、打ち合わせの機会をいただきました。そこでお聞きした話は、製造業全体が直面している大きな変化を象徴するものでした。

顧客からの品質要求の変化

購買担当者様が語られたのは、顧客からの品質要求が年々厳しくなってきているという現実でした。

「昔は『それくらい、目をつぶってよ』と言って通っていたものが、今の時代は一切通らなくなってきている」

この言葉に、時代の大きな変化が凝縮されています。かつては許容されていた程度の品質のばらつきや、わずかなキズが、今では受け入れられなくなっています。製品の高度化、安全基準の厳格化、消費者意識の変化――様々な要因が重なり、品質要求のレベルは確実に上がっています。

メーカー様が直面する課題

このメーカー様では、自社の製造工程においては当然、厳格な品質管理のもとで製造を行っておられます。しかし、問題はそれだけでは済まなくなってきているとのことでした。

「これを仕入先にもお願いしないといけなくなってきて久しい」

最終製品の品質を保証するためには、すべての部品・材料が同じレベルの品質管理のもとで製造されている必要があります。自社だけが厳格に管理しても、仕入先の品質管理が不十分であれば、最終製品の品質は保証できません。

当社への評価 ~ 工程内品質管理の重要性

購買担当者様から、当社についてこのような評価をいただきました。

「ツカダさんはしっかり工程内品質管理表を作り、最低でも初物・中間・最後の検査を行い、その検査品を保存してくれているので、大変信頼できる」

このお言葉は、当社が日々積み重ねてきた品質管理への取り組みが、お客様に正しく評価されていることの証であり、技術チーム全員にとって大きな励みとなりました。

取引継続の分かれ道 ~ 「昔ながらのやり方」からの脱却

一方で、購買担当者様が深刻な表情で語られたのは、仕入先選定の難しさでした。

「昔ながらのやり方から脱却できない仕入先には、仕事を出したくても出せない状況になっている」

若い社員がいる会社であれば、品質管理書類への対応にも柔軟に応じてもらえる可能性があります。しかし、社員全員が高齢化している仕入先では、「そんな面倒なことやってられるか!!」と怒られてしまうケースもあるそうです。

そうなると、長年の取引関係があったとしても、仕事をお願いしたくても出せなくなる日が、もうすぐそこに来ている――そう語られた購買担当者様の言葉には、複雑な想いが込められていました。

品質管理が「面倒」から「当たり前」の時代へ

この話を聞いて、改めて感じたことがあります。

品質管理書類の作成、検査データの記録、検査品の保管――これらは確かに手間がかかります。しかし、これは今の時代、「面倒なこと」ではなく「当たり前のこと」になっているのです。

最終製品を使用するお客様の安全を守るため。 トラブルが発生した際に、原因を迅速に特定するため。 品質の継続的な改善を実現するため。

こうした目的のために、品質管理体制の構築は必要不可欠です。

当社の品質管理体制

当社は、ISO9001の正式認証は取得しておりませんが、実質的にそれに準じた品質管理を徹底しています。

測定機器の定期校正

  • 年2回の測定機器校正を実施
  • 測定精度の信頼性を担保
  • 正確な寸法測定による品質保証

工程内品質管理表の運用

  • すべての量産案件で工程内品質管理表を作成
  • 初物・中間・最終の検査を必ず実施
  • ダブルチェック体制による不良品流出防止

検査品の保管

  • 最低でも初物・中間・最後の検査品を次回受注時まで保管
  • トラブル発生時の検証が可能
  • 「言った言わない」を避ける証拠の保管
  • 次回生産時の品質基準として活用

データに基づく品質管理

  • 検査データの記録・蓄積
  • 寸法精度の傾向分析
  • 予防的な品質管理の実現

世代を超えた技術と管理体制の融合

当社の強みは、創業55年で培ってきた加工技術と、現代的な品質管理体制が融合していることです。

ベテラン技術者が持つ「勘とコツ」に基づく高度な加工技術と、若手社員が中心となって構築している品質管理体制。この両輪が揃っているからこそ、「技術力」と「信頼性」の両方をお約束できます。

品質管理書類の作成は、決して「面倒な作業」ではありません。お客様との信頼関係を築き、長期的なお取引を実現するための、大切な投資だと考えています。

同様のお悩みをお持ちの購買担当者様へ

「仕入先に品質管理書類の作成をお願いしたいが、対応してもらえない」「高齢化した仕入先では、新しい品質管理体制への移行が難しい」「品質要求が厳しくなり、従来の仕入先では対応できなくなってきた」「ISO認証は必須ではないが、それに準じた品質管理体制を求めている」――このようなお悩みをお持ちの購買担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。

当社は、現代の品質要求に応えられる管理体制を整えています。

ステンレス、鉄、アルミ、真鍮、チタンなどの金属素材から、CFRP、GFRP、塩ビ、フェライトなどの非金属素材まで、あらゆる素材に対応しています。

板厚0.1mm~8mmまで、単発プレス、順送プレス、トランスファープレス、鍛造、ヘラ絞りと、加工種別・加工方法も幅広く対応可能です。

金型設計・製作から後加工まで、トータルで対応できる体制があります。メッキ、バフ研磨、バレル研磨、黒染め、塗装、溶接など、協力工場と連携して一括対応できます。

見積もりだけでも喜んでお引き受けします。品質管理体制についてのご質問も、遠慮なくお尋ねください。岐阜県内はもちろん、北は北海道から南は沖縄まで、日本全国どこからでも対応しておりますのでご安心ください。

まずはお気軽にご相談ください。一緒に最適な品質管理体制を構築しましょう。お客様の製造パートナーとして、長くお付き合いできれば嬉しいです。

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