コラム
【コラム】中学生の視点が教えてくれた「本当のきれいさ」~ 職場体験から生まれたシステム改革
- 作成日:2025.10.21
- 更新日:2025.10.21
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先日、地元中学生2名(男女各1名)の職場体験を受け入れました。工場をくまなく歩いてもらい、「汚い」と感じるところを写真で撮影し、コメントを書いてもらったのですが、その視点の鋭さに驚かされました。
おかしいぞ?数字とのズレ
実は、当社では「きれいさ」を評価する独自の点検システムを運用しており、スマホで毎日チェックしています。ここ数ヶ月はずっと90点台の高得点を維持していました。
- 工具は決められた場所に戻っているか?
- 不要なものが床に置かれていないか?
- 機械周辺は整理されているか?
これらの項目を毎日チェックし、「よし、きれいな状態を保てているぞ!」と思っていました。
しかし、中学生からは辛辣なご指摘の数々。「何かがズレている」――この違和感を、真剣に受け止めました。
若手社員の迅速なシステム改革
この気づきを受けて、社内の若手エンジニアNくんが、すぐさまシステムをバージョンアップしてくれました。
従来の評価項目(「工具は戻っているか」「不要なものが置かれていないか」など)はそのまま残しつつ、新たに追加したのがこの項目:
「職場体験の中学生が点数をつけるとしたら、何点をつけると思いますか?」
つまり、「第三者の新鮮な目で見たら、どう見えるか?」という主観的な評価軸を、あえて組み込んだのです。
衝撃の結果 ― 94点が49点に
新システムで評価した結果、驚くべき数字が出ました:
- 従来の評価:94点
- 新システム(主観評価含む):49点
社長の私が見ても、49点の方が正確に現状を表していると感じました。
従来のチェック項目は、確かにクリアしていました。工具は決められた場所に戻っている、床に不要なものは置いていない。しかし、「本当にきれいか?」「初めて来た人が見て、清潔だと感じるか?」という視点が抜け落ちていたのです。
「慣れ」がもたらす盲点
毎日見ている工場は、どうしても「慣れ」が生じます。
- 「この程度の油汚れは、プレス工場なら普通」
- 「この棚の上のホコリは、使わないものだから別にいいか」
- 「機械の裏側は見えないから、まあいいか」
こうした「プレス業界の常識」「毎日見ている人の感覚」が、知らず知らずのうちに基準を甘くしていたのだと思います。
中学生は、そうした「慣れ」がありません。初めて工場に来て、純粋な目で見る。その視点が、私たちが見落としていた「本当の汚れ」を浮き彫りにしてくれました。
これからの取り組み ― 2つの評価軸の整合性
今後は、以下の2つの評価軸を併用していきます:
- 客観的評価:工具の定位置管理、床の整理整頓など、具体的な項目
- 主観的評価:「初めて来た人が見たら、何点つけると思うか?」
そして、この2つの評価が一致するように、チーム全員で知恵を出し合っていきます。
- 客観評価は高いのに、主観評価が低い → どこに「見えない汚れ」があるのか?
- どうすれば、両方の評価が高くなるのか?
この問いを、日々の改善活動に活かしていきたいと思います。
感謝 ― 気づきをくれた中学生と、システムを作ってくれた若手社員
今回の職場体験を通じて、大きな気づきを得ることができました。
- 地元中学生のお二人:鋭い視点と率直な意見を、ありがとう!
- 若手エンジニアNくん:迅速にシステムをバージョンアップしてくれて、ありがとう!
「外部の新鮮な目」と「社内の若い力」が組み合わさることで、こんなにも早く、こんなにも効果的な改善ができる。これこそが、当社の強みだと改めて感じました。
「きれいな工場」は「品質への責任」の表れ
5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)は、製造業の基本中の基本です。
きれいな工場は、ただ見た目が良いだけではありません。
- 不良品の発生を防ぐ
- 作業効率を高める
- 安全性を確保する
- お客様に安心していただける
そして何より、「この工場で作られた製品なら、信頼できる」と思っていただける。
今回の中学生の職場体験は、その原点を思い出させてくれました。
これからも、学び続けます
当社は、常に学び、常に改善し続ける会社でありたいと考えています。
- 新しい技術への挑戦
- 新しい素材への対応
- 新しいシステムの導入
そして、今回のように「外部からの新鮮な視点」を積極的に取り入れ、より良い会社、より良い工場を作っていきます。
職場体験を希望される学生の皆さん、学校関係者の皆さん、いつでもお待ちしています。皆さんの率直な意見が、私たちの成長につながります。
そして、プレス加工をお考えの皆様、「きれいな工場で、責任を持って製品を作る」――これが、株式会社ツカダの約束です。
お気軽にご相談ください。工場見学も、いつでも歓迎です。
↓↓↓↓↓これが従来の評価点数↓↓↓↓↓

↓↓↓↓↓これが新しい中学生的視点評価点数↓↓↓↓↓

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