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地元中学生の職場体験 ~ ものづくりの楽しさを次世代へ

  • 作成日:2025.10.16
  • 更新日:2025.10.16

【コラム】地元中学生の職場体験 ~ ものづくりの楽しさを次世代へ

2025年10月15日~16日の2日間、地元の中学2年生2名(男子生徒1名・女子生徒1名)が、当社で職場体験を行いました。

初めてのCAD体験 ~ 自分だけのキーホルダーをデザイン

1日目は、CAD(コンピュータ支援設計)の基礎から学んでもらいました。パソコンの前に座った2人は、最初こそ緊張した面持ちでしたが、「自分でデザインしたものが実際の製品になる」と聞くと、目を輝かせて画面に向かってくれました。

課題は「オリジナルキーホルダーのデザイン」。初めて触れるCADソフトに戸惑いながらも、若手エンジニアのサポートを受けながら、それぞれ個性的なデザインを完成させました。一人は幾何学的な模様、もう一人は好きなキャラクターをモチーフにしたデザイン。「こんな細かい線も切り出せるんですか?」という質問に、「大丈夫、うちのワイヤーカット放電加工機なら0.1mmの精度で切り出せるよ」と答えると、驚きの表情を見せてくれました。

夜のうちに魔法が起きる ~ ワイヤーカット放電加工

生徒たちが帰った後、彼らのデザインデータをワイヤーカット放電加工機にセット。夜のうちに、アルミ板から精密にデザインを切り出しました。翌朝、自分たちのデザインが実物になっているのを見た2人の表情は、まさに「ものづくりの魔法」を目の当たりにしたような驚きと喜びに満ちていました。

職人の技を体験 ~ 磨きの奥深さ

2日目の最初の作業は、切り出したキーホルダーの仕上げ。バリ取りから始まり、段階的に細かい番手のペーパーで磨いていく作業を体験してもらいました。「磨くだけでこんなにピカピカになるんだ!」と、鏡のような仕上がりに感動してくれました。完成したキーホルダーは、世界に一つだけの記念品として持ち帰ってもらいました。

品質管理の現場を体験 ~ 精密測定の世界

2日目の後半は、実際の製造現場での検品作業と、キーエンスの画像寸法測定機を使った品質管理作業を体験。0.01mm単位で製品の寸法を測定する精密な世界に、「建物もこんなに細かく測るんですか?」という質問が。「建築も製造業も、精度への追求は同じだよ」という説明に、真剣にうなずいてくれました。

未来の建築士へのエール

2人とも将来の夢は「建築士になること」だそうです。建築とプレス加工、一見違う分野のようですが、「設計する」「精度を追求する」「ものを作る喜び」という点では共通しています。CADでの設計体験、精密測定の重要性、そして何より「アイデアを形にする楽しさ」を感じてもらえたなら、きっと将来の夢への良い刺激になったのではないでしょうか。

地域とともに歩む

製造業の現場を知ってもらうことは、地域の産業を理解してもらう大切な機会です。たとえ将来、製造業の道に進まなくても、「地元にこんな技術を持った会社がある」ということを知ってもらえただけでも意味があります。

2日間、本当に一生懸命取り組んでくれた2人の中学生。その真剣な眼差しと、完成したキーホルダーを嬉しそうに眺める姿が印象的でした。10年後、素敵な建築士になった彼らと、何かの形で一緒にものづくりができたら――そんな未来を想像すると、ワクワクしてきます。

次世代を担う若者たちに、ものづくりの楽しさと奥深さを少しでも伝えられたなら、この2日間の職場体験は大成功だったと言えるでしょう。また来年も、新しい中学生たちとの出会いを楽しみにしています。

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